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心理療法

  • 執筆者の写真: 如月心理相談室
    如月心理相談室
  • 8月10日
  • 読了時間: 4分

心理療法|如月心理相談室

昨今、メンタルヘルスへの関心が高まっている中、カウンセリングや心理療法ではどんなことができるのでしょうか?


1. カウンセリングとは

心理学の専門家(=カウンセラー)と一緒に問題の解消や個人の心理的な成長ができるように話し合っていきます。

例えば・・・


  • 家族関係での困りごとを一緒に話し合いながら考え、今後に向けて提案や助言をする(問題の解消)

  • 自分では気がつかなかった性格の特徴や対人関係のパターンなどに気づき、生活の中で活かすことができる(個人の心理的な成長)


2. 心理療法とは

 心理療法は、心理学の理論や技法に基づき、心の困難や生きづらさを軽減し、より良い適応や成長を促すための専門的な方法です。ここでは代表的な6つをご紹介します。


  • 精神分析的心理療法(Psychoanalytic psychotherapy

    精神分析的心理療法は、無意識下の葛藤や感情に焦点を当てる心理療法です。自由連想や夢分析、転移・逆転移の理解を通じて、行動や感情の背景にある深層心理を探ります。長期的な関わりを通じて、自己理解の促進や症状の軽減を目指します。特に、過去の重要な人間関係が現在の対人関係や情緒に影響していると考えられる場合に有効です。


  • 認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)

    認知行動療法は、思考(認知)、感情、行動の相互関係に着目し、生活や気持ちに支障がみられる思考や行動、精神症状を緩和していく心理療法です。ホームワークを通じて、適応的な行動や客観的な考え方を身につけます。うつ病、不安障害、強迫性障害など、多くのエビデンスが蓄積されたアプローチです。


  • 来談者中心療法(Client-Centered Therapy)

    来談者中心療法は、カール・ロジャーズによって提唱され、「無条件の肯定的関心」「共感的理解」「自己一致」を柱とします。カウンセラーは指示的な助言や解釈を控え、来談者が自己理解を深め、自己成長するための安全で受容的な関係を築きます。来談者が自らのペースで変化していくことを尊重する点が特徴です。


  • 家族療法(Family Therapy)

    家族療法は、個人の症状を家族システム全体の文脈で捉え、家族間のコミュニケーションや役割構造の改善を目指すアプローチです。家族全員が参加する場合もあれば、一部のメンバーのみが参加する場合もあります。構造派、戦略派、ナラティブ・アプローチなど複数の流派が存在し、問題の背景にある家族関係のパターンを理解や変容に重点を置きます。


  • ブリーフセラピー(Brief Therapy)

    ブリーフセラピーは、限られた回数で効果を得ることを目指す短期療法の総称です。解決志向アプローチ(Solution Focused Brief Therapy)やMRIモデルなどが代表的で、「問題の原因探し」よりも「解決の糸口探し」に重きを置きます。目標を明確化し、実行可能な行動変化を促すため、現実的な課題解決に適しています。


  • EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)

    EMDRは、外傷体験によって未処理のまま残っている記憶を、安全な環境で再処理するために開発された心理療法です。両側性刺激(眼球運動、タッピングなど)を用いて、トラウマ記憶の情緒的負荷を軽減し、より適応的な記憶ネットワークに統合します。PTSDをはじめとしたトラウマ関連症状への有効性が国際的に認められています。


心理療法には色々ありますので、ご自身の気持ちや状態、状況に合ったものを選んでみてください。

各心理療法は随時研究が進んでいるため、詳しくはその心理療法を専門としているカウンセラーに聞くとよいです。


心理療法選びのヒント

  • 性格や人との関わり方を深く見つめたい

     → 精神分析的心理療法

  • 行動や思考の癖を自分で変える方法を学びたい

     → 認知行動療法

  • 安心して話を聴いてもらいたい

     → 来談者中心療法

  • 家族やパートナーとの関係を改善したい

      → 家族療法

  • 短期間で具体的な解決を得たい

     → ブリーフセラピー

  • トラウマ記憶の辛さやその影響を和らげたい

     → EMDR


3. どこで受けられるか

  • 精神科、心療内科などの病院、クリニック(内容により保険適用あり)

  • カウンセリングルーム(保険適用なし、1万円前後/1回が目安)


カウンセリングルームは特定の心理療法に特化している場合もあり、専門的な心理療法を受けたい方に向いています。


カウンセラーの選び方

主に以下の点を意識して選ぶと良いでしょう。

  • 臨床心理士や公認心理師など、認められた資格を持っているか

  • 自分が安心して話せる雰囲気、ジェンダー

  • 希望する心理療法を受けられる施設か


カウンセラーの資格はたくさんあるので、民間資格の中で最も信頼されている臨床心理士資格や、国家資格である公認心理師資格を持っているカウンセラーを選ぶと安心でしょう。


4. 如月心理相談室から

当相談室では、トラウマへの心理療法EMDRを提供しています。

過去の出来事を思い出して辛くなる方、過去の経験の影響に悩まれる方、EMDRに関心はあるけれど迷っている方も、ぜひご相談ください。


参考文献




2025年8月8日

如月心理相談室桜木町分室 葛籠貫 未来

(臨床心理士・公認心理師)

​Since 2020.02.01

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