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執筆者の写真如月心理相談室

11月の如月心理相談室

更新日:2023年2月28日



すっかり寒くなってきましたね。

2020年11月の如月心理相談室の様子をご報告します。


11月も通例通り、EMDRを中心としたトラウマケアカウンセリングを実施しました。

コロナ禍のため、引き続き遠隔カウンセリングのみ行いました。


ブログでは心的外傷後ストレス障害(PTSD)についてアップしました。




如月心理相談室では、11月からモラルハラスメント被害に遭われた方々を中心にEMDRなどによるトラウマケアカウンセリングを行うこととしました。


モラルハラスメントとは、「言葉や態度、身振りや文書などによって、相手の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせること」を指します。

モラルハラスメントはフランスの精神科医であるマリー=フランス・イリゴイエンヌ(Marie-France Hirigoyen)が提唱した概念で、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待、ハラスメントやいじめ等でみられる問題です。


モラルハラスメントでは巧妙にコントロール下においた後、直接的なコミュニケーションを拒否する、会話をゆがめる、相手が誤解するように仕向ける、相手を軽蔑する・嘲笑する、言っていることと矛盾する態度をとる、相手を認めない態度をとる、不安の種を捲く、権力を乱用するといったコミュニケーションを通して被害者の心身を継続的に傷つけます。


被害者は離れることも身を守ることもできないようなコミュニケーション下に置かれるため、長期にわたってモラルハラスメントを受け続けることは珍しくありません。

また、モラルハラスメントは攻撃と同時に攻撃の隠蔽が行われるため、周囲からはわかりにくい傾向にあります。

周囲に相談しても理解されずに二次被害を受けることが多く、被害者自身もモラルハラスメントを受けていたことに後々気づくということさえあります。


その影響は非常に大きく、加害者から離れた後もトラウマとして残り、長期にわたって被害者の心身と生活を脅かすため、精神的な殺人とも呼ばれています。



私がモラルハラスメントのことを知ったのは5年前で、攻撃の隠蔽によって周囲からなかなか理解されないが故に被害者はさらにトラウマを負い、心身や生活への影響が大きいにも関わらず見過ごされてしまうこの問題を専門的に扱ってもよいのではないかと思い、それからモラルハラスメント被害を受けられた方々のケアを専門としてずっと取り組もうと考えていました。


実際にモラルハラスメント被害に遭った方々のトラウマに対してEMDRなどのトラウマケアカウンセリングを行って経験を積めたので、この度如月心理相談室の看板として掲げることにしました。まだまだモラルハラスメント被害について学ぶことが多い中ではありますが、引き続き精進して参ります。

モラルハラスメントだけでなく、他のトラウマや困りごとも変わらずお受けしていますので、何かお困りのことがあればお申込みください。



如月心理相談室以外の活動では、不登校・ひきこもり支援のアウトリーチについて触れる機会が多い月でした。


11月19日は内閣府主催の「令和2年度構成機関における相談業務の研修」に登壇し、「不登校・ひきこもり支援におけるアウトリーチ」というテーマでお話させていただきました。

また、11月20日~11月26日は日本心理臨床学会 第39回大会のポスター発表にて「不登校・ひきこもり当事者へのアウトリーチ中期・後期におけるマネジメントプロセス」を発表しました。


12月は少しゆっくりできそうです。

気温がぐっと低くなったので、皆さま暖かくしてお過ごしください。




2020年11月29日

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